事務未経験なんだけど、営業事務ってどんな仕事なんだろう。やりがいもちゃんとある仕事がしたいなぁ。
そんな悩みを解決します。
- この記事の信頼性
営業事務は、営業部門のサポートを担う重要な役割を果たしています。他の事務とは違い、企業の売上や顧客満足度の向上に貢献することができるのが営業事務の魅力の1つです。
しかし営業事務という職種は「営業なの?事務なの?」と思われていることも多く、その重要性が十分に理解されているとは言い難い状況です。
そこでこの記事では、商社営業事務として5年働いた私の経験を基に、以下の4つについてご紹介します。
- 営業事務の役割と仕事内容
- 営業事務のやりがい
- 営業事務の魅力
- 営業事務に必要なスキルや役立つ資格
この記事を読めば営業事務として働く意義やメリットを理解し、後悔のない転職を実現することができます。
「営業事務について興味があるけどイマイチ実体が分からない」という人は、ぜひ最後までこの記事を読んでください。
営業事務の役割と仕事内容
営業事務の役割と仕事内容について解説します。
営業事務は営業のサポート役
営業事務は営業が円滑に業務を進めるためのサポート役です。会社の営業成績に直結する重要な役割を担っています。
営業といえば「外回りに行ってお客さんと商談したり新規営業を行ったりする」というイメージを持たれている人も多いと思いますが、
- 資料作成
- 契約書作成
- データ管理
などの事務作業も意外と多い職種です。
そんな営業の事務的な仕事を担い、本来の業務に集中できるよう営業の支援・サポートを行うのが営業事務の仕事。
また、営業が商談に必要な資料を作成したり、見積書や契約書を作成したりするのも営業事務の仕事です。
営業事務は「営業から言われたことだけをやる」のではなく、自ら考えて能動的に行動していく積極性も求められる職種だよ。
会社によっては営業のように「新規営業電話」や「外回りの仕事」を行う営業事務もありますが、基本的に営業事務は営業活動を行いません。
営業事務は社内で営業マンの業務をサポートし、会社の営業成績に貢献していくことが重要な役割となります。
一般事務との違いは業務内容にあり
一般事務との大きな違いは担当する業務内容です。営業事務は営業部門に特化した業務を担当し、一般事務は幅広く業務を担当します。
営業事務の仕事は、
- 見積書の作成
- 顧客からの注文処理
- 在庫の管理
- 営業資料の作成
- 顧客問い合わせ対応
など、営業成績に直結する業務を担当します。
一方で一般事務は、
- 書類のファイリング
- 電話対応
- 資料作成
- データ入力
など1つの部門に属さず幅広い範囲で業務を担当し、会社の経理・総務まで担当することもあります。
営業事務は営業部門専属の事務であるため、一般事務より会社の売上に深く関わる事務である点が両者の大きな違いです。
営業事務の仕事内容
営業事務は営業のサポートをすることが主な業務です。営業事務の具体的な仕事内容としては以下のものが挙げられます。
-
顧客情報の管理
営業が取引する顧客情報(会社名・担当者名・電話番号・取引履歴・契約期間など)をデータベース化し、管理する仕事です。顧客情報を正確に把握することによって、営業は顧客に対してより適切なアプローチができるようになります。
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見積・契約書の作成
営業が顧客に提出する見積書や契約書を営業事務が作成します。書類に不備があるとその後の取引に問題が生じる可能性があるため、仕事の正確さが求められます。
-
受注・出荷処理
顧客からの注文を受け、商品を出荷する仕事です。メーカーや商社などの製品を扱う業界では、顧客からの注文処理も営業事務が担います。ときには緊急の注文を依頼されることもあるため、臨機応変かつスピーディーに仕事をこなしていく必要があります。
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在庫管理
メーカーや商社といった製品を扱う業界では、製品の使用期限や個数を管理する在庫管理の仕事が伴います。在庫管理がきちんと行われていないと、使いたい時に製品が不足していたり、不良在庫が増えてしまったり、会社に損失が生じる可能性があります。
-
問い合わせ対応
顧客からは頻繁に電話やメールで問い合わせが来るので、営業事務がそのまま対応できるものはその場で回答し、対応できないものは営業に報告を行います。営業事務が対応できる範囲を広げていくことで、営業はより業務に専念できるようになります。
営業事務の仕事は、一緒に仕事を行う営業の考え方や会社の方針によっても内容に差が生じます。
例えばA社では納品書や請求書の作成は営業事務が担当するけど、B社では経理が担当しているっていうこともあるよ。
私が商社の営業事務として5年働いていたときの仕事内容は、下記の記事で紹介しています。興味がある人はぜひ参考にしてください。
≫商社営業事務の具体的な仕事内容
営業事務のやりがい
ここからは、私が実際に営業事務として働いた際に感じた「営業事務のやりがい」についてご紹介します。
顧客からの喜びの声を直接聞ける
営業事務としてのやりがいの1つは、顧客からの喜びの声を直接聞けることです。
事務は基本的に社内でのやり取りが多い職種で、直接顧客と接する機会はなかなかありません。
しかし営業事務は顧客からの問い合わせに対応する業務を担っているので、顧客から直接感謝の言葉をもらえる機会がたくさんあります。
社内の人からの感謝の声も嬉しいけど、「お客さん」の立場の人に喜んでもらえると貢献度が増して3割増しで嬉しい。
営業事務は顧客とのコミュニケーションを通じて、顧客への貢献を直接実感しやすい職種です。
顧客から直接喜びの声を聞くことができるため、営業事務としてやりがいを感じることができます。
営業から仕事を任せてもらえるようになる
営業事務のやりがいとして、営業から信頼を得て、自分に仕事を任せてもらえるようになることが挙げられます。
営業事務は営業のサポート役として、いかに効率的に業務をこなして売上に貢献していけるかが重要です。
そのため営業から信頼を得て仕事を任せてもらえるようになることは、やりがいのひとつともいえます。
営業との信頼も高まって、「仕事って楽しいー!」と思える瞬間だったよ。
営業事務は営業との信頼性が、仕事の質ややりがいを大きく左右します。営業からの信頼を得てこなせる仕事が増えることは、営業事務のやりがいの1つです。
チームで連携し、会社の売上への貢献を実感できる
チームで協力して仕事を進め、会社の売上への貢献を実感できることは、営業事務として大きなやりがいにつながります。
営業事務は1人で仕事を進めることが少なく、担当の営業や他部署と協力して業務を行うことがほとんどです。チームや他部署と協力しながら仕事を進めることで、会社の売上への貢献を実感することができます。
その結果、顧客からの信頼を得て他社で依頼していた商品を私たちに依頼してくれるようになり、会社の売上に貢献することができました。
会社の売上に貢献できることもやりがいの1つだったけど、その後のチームでの打ち上げや会社からの特別報酬もやりがいだったよ。
営業事務のやりがいとして、チームで協力して仕事を進め、会社の売上への貢献を実感できることが挙げられます。
チームワークを大切にし、自分が行う仕事が会社の売上にどのように貢献するかを理解して仕事に取り組んでいくことが大切です。
営業事務の魅力
事務の中でも、営業事務は魅力がたくさんある職種です。
「営業事務・・・よく分からん!」という人のために、ここでは営業事務ならではの魅力を紹介していきます。
事務未経験者でも始めやすい
営業事務は専門的なスキルが必要とされるわけではなく、事務未経験者でも始めやすい職種です。
転職支援サービスを提供する「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「doda」で営業事務と経理事務の求人を比較したところ、営業事務は経理事務より「未経験歓迎」の求人を多いことが分かります。
リクナビNEXT | マイナビ転職 | doda | ||||
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職種 | 営業事務 | 経理事務 | 営業事務 | 経理事務 | 営業事務 | 経理事務 |
全体 | 1,149件 | 3,302件 | 1,099件 | 830件 | 2,902件 | 1,267件 |
未経験歓迎 | 715件 | 306件 | 995件 | 397件 | 442件 | 102件 |
比率 | 49% | 9% | 91% | 48% | 15% | 8% |
実際私も接客業から未経験で営業事務を始めましたが、特別な専門知識が必要なわけではなかったので数ヶ月で仕事に馴染むことができました。
その後入社した後輩4人も全員が事務未経験でしたが、現在も営業事務として活躍を続けています。
特に営業や接客経験者は、前職で培った経験を活かしやすい営業事務が馴染みやすいよ。
営業事務が事務未経験でも始めやすいのは、仕事に慣れればすぐ活躍できる職種だからです。
その他、事務未経験者に営業事務をすすめる理由は下記の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
≫事務未経験者に営業事務をおすすめする理由6選
Excel、Word、Powerpointなどのパソコンスキルが向上する
営業事務として働くと、Excel、Word、PowerPointなどのパソコンスキルが向上します。
書類作成や営業資料の作成といった日々の業務で、Excel、Word、PowerPointを使う機会が多いからです。
具体的には、営業資料を作るために「ピボットテーブルで数値を分析」をしたり、「マクロを使って業務の自動化」を行ったりができるようになりました。
もちろん、仕事で使えるようになるためには自分で勉強することも必要だよ。
営業事務はExcel、Word、Powerpointといったオフィスソフトを使用する機会が多い職種なので、パソコンスキルを向上させたい人には魅力的な仕事となります。
キャリアパスを設計しやすい
営業事務はスキルアップや経験を積むことで、キャリアパスを立てやすい職種です。
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営業への転身
営業事務は営業の近くで仕事を見るため、営業の面白さに惹かれて転身する人もいます。営業と一緒に現場に出向いたり、見積書・営業資料の作成といった業務サポートの経験を存分に活かすことが可能です。
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経理への転身
営業事務が納品書の作成や請求書の作成を担っていることもあります。営業事務として事務のスキルを高めながら簿記の知識を身に付けていくことで、経理の道がつながることがあります。
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総務への転身
営業事務の仕事で、社内の広報活動や社員のスケジュール管理などを担当していることがあります。このような経験を活かして、総務や人事などの職種に転身することもできます。
実際に私も営業事務として働く中で営業の仕事に興味を持つようになり、営業への異動を打診されたことがあります。
東京へ転勤になることが嫌だったので断りましたが(←)、引っ越しのない営業への異動だったら打診を受けていた可能性もあります。
「営業として働くのは自信ないけど興味はある」という人には、営業事務の仕事から営業に携わってみるのもおすすめだよ。
営業事務はスキルアップや経験を積むことで、営業やマーケティング、経理、総務、人事などの職種につながることがあります。
幅広いキャリアパスを描くことができるのは、営業事務の魅力の1つです。
営業事務に必要なスキルや役立つ資格
営業事務は事務未経験でも始めやすいことが魅力の1つですが、スキルゼロではやはり厳しい部分もあります。
営業事務として活躍していくために、必要なスキルや役立つ資格についてご紹介致します。
必要なスキル
営業事務で必要となるスキルは以下の通りです。
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ビジネスマナー
社会人が企業で働く上で必要なマナーです。具体的には、「身だしなみ」「言葉遣い」「電話対応」などが挙げられます。
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ビジネス文書作成スキル
社会人として求められる文書作成のスキルです。営業事務は社外の人とメールで連絡を取り合う機会も多いので、習得しておくと業務をスムーズに行えます。
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タイピングスキル
タッチタイピングの速さが60文字/分であれば「実務レベル」と言われています。営業事務はスピードを求められる職種なので、100文字~120文字/分の速さがあれば安心です。
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PCスキル
Excel、Word、Powerpointなどのオフィスソフトは、営業事務が日常業務でよく使用するソフトです。これらの基本操作ができる程度のPCスキルが必要となります。
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コミュニケーション能力
営業事務は社内外のやりとりが非常に多い職種です。情報共有や意思疎通をスムーズに行う能力が求められます。
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タスク管理能力
営業事務は1人で複数の営業を担当することがあります。依頼された仕事やこなすべきタスクを管理し、漏れなく処理していかなければなりません。
これらのスキルや能力は、営業事務を始める前に身に付けておきたいものです。
営業事務は入社してから覚えていかないといけないことがたくさんあるので、自分で勉強してどうにかなるものは入社前に身に付けておきましょう。
営業事務は顧客情報や会社の商品、サービスなど覚えることがいっぱい!
また、営業事務として従事した後に身に付けていきたいスキルは以下の通りです。
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正確性・スピード力
事務は「ミスなく正確に業務をこなす」ことが当たり前の世界です。加えて営業事務は複数の仕事を要領よく処理するスピード力が求められます。
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調整能力
意見の異なる人の間に入って、物事をうまく進めていく能力です。営業事務は「営業-顧客」や「営業-他部署」など仲介役を担うことが多くあり、何を優先させて仕事を進めるかを判断しなければなりません。
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先読み能力
起こりそうなことを予測して行動する能力です。営業事務は営業のサポート役として、「営業に言われる前に必要なことを根回ししておく」ことが重要になります。
これらは営業事務を始める前に身に付けるのは難しいので、仕事を覚えながら意識していくようにするとスキルアップにつながります。
役立つ資格
営業事務として転職活動するときや、営業事務として働くときに役立つ資格は以下の通りです。
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秘書検定
秘書に求められる知識・技能を問う試験です。社会人として必要なビジネスマナーを習得することができる資格なので、社会人経験が浅い人やオフィス勤務の経験がない人におすすめです。
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ビジネス文書検定
ビジネスで使われる文書作成に必要な知識や技能を認定する試験です。ビジネス文書検定を取得することで、ビジネス文書の書き方や表現方法、フォーマットなどの基礎的なスキルを身につけることができます。
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MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSは、Microsoft Office製品(Excel・Word・Powerpointなど)を使ったビジネススキルを証明するための資格試験です。「一般レベル」に合格できれば、「基本的な操作は問題ない」と判断されます。
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日商簿記検定
企業の日々のお金のやり取りを記録・計算・整理し、経営成績や財務状況を明らかにする知識や技術を問う試験です。営業事務は会社の売上に直結する職種なので、お金の流れを知っておいた方が仕事がスムーズに進みます。
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TOEIC
英語によるコミュニケーション能力を測る世界共通のテストです。海外との取引がある企業なら、ある程度の英語力が要求されます。
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ITパスポート
ITに関する基礎知識を備えていることを証明できる国家資格です。営業事務も日常業務でPCや通信機器に触れたりシステムを利用する機会が多いので、予備知識として知っておくと役立ちます。
転職する年齢によっては「分かってて当たり前」の価値にしかならない資格もありますが、どの資格も知識として持っておいて損はない資格です。
中でもMOSは事務を始めるなら必須の知識となるので、「何から勉強すればいいか分からない!」という人はMOSから勉強することをおすすめします。
資格取得は必須じゃないけど、転職のときにスキルをアピールするのに役立つよ。
まとめ:仕事にやりがいを求める人は営業事務がおすすめ
今回は営業事務のやりがいや魅力について解説をしました。
- 顧客からの喜びの声を直接聞ける
- 営業から仕事を任せてもらえるようになる
- チームで連携し、会社の売上への貢献を実感できる
- 事務未経験者でも始めやすい
- Excel、Word、Powerpointなどのパソコンスキルが向上する
- キャリアパスを設計しやすい
営業事務は企業の売上に直結する重要な業務を担うため、やりがいを感じやすい職種です。
実際私も営業事務・貿易事務・購買・総務事務を経験した中で、営業事務が一番やりがいを感じていたなと実感しています。
もし営業事務を始めてみてから「合わないかも・・・」と感じても、営業・マーケティング・経理・総務・人事など幅広いキャリアを考えることができる点が魅力の1つです。
「事務でもやりがいのある仕事がしたい」と考えている人は、ぜひ営業事務の仕事にチャレンジしてみてください。