- あなたは今、こんな悩みを抱えていませんか?
- 接客と事務でどちらを選ぶべきか迷っている
- どっちの方が大変なのか知りたい
- 入社してから後悔したくない
こんな悩みを解決します!
- この記事の信頼性
私は新卒で接客(コーヒー会社の飲食店)を1年半経験し、その後は7年以上事務として勤務しています。
接客と事務の両方を経験した私が、両者の大変な部分やどちらを選ぶべきかについて解説していくよ!
- 本題に入る前に
接客か事務か、どちらの方が自分に合いそうか見極めておくことはとても重要です。選択を誤ると大きなストレスを抱えたまま数年を過ごす羽目になりかねません。
「合わなかったら転職すればいいか~」という判断も間違いではありませんが、3年以内に転職すると『短期離職』という足枷を一生はめることになります。
選択を間違えないためのポイントは、自分は何を優先して働きたいのかをよく考えること。
この記事では、以下のことについて解説していきます。
- 接客のメリット&デメリット
- 事務のメリット&デメリット
- 【接客vs事務】どちらの方が大変か(比較)
- 【接客vs事務】どちらを選ぶべきか(選択のポイント)
この記事を読めば、接客と事務のどちらを選ぶかでもう悩むことはありません。
ぜひ最後までお読みください。
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接客のメリット&デメリット
実際に私が接客をしていた時に感じたメリットとデメリットについてご紹介していきます。
接客のメリット
接客を選んだ場合のメリットは以下のものが挙げられます。
- お客さんの喜ぶ顔が直接見れる
- 自分の考えやアイディアを反映しやすい
- 専門知識が身に付く
- 身体を動かすので運動不足にならない
- 平日休みで役所や銀行に行ける
1. お客さんの喜ぶ顔が直接見れる
お客さんの喜ぶ顔を見れるのは接客業の醍醐味です。自分で提案した商品を気に入ってもらえたりサービスに満足してもらえると、仕事のやりがいに直結します。
- もっと満足してもらうには何ができるだろう
- どんなことをすれば喜んでもらえるだろう
こんなことを考えながら試行錯誤する仕事はとても楽しいですし、お客さんに「ありがとう」と言ってもらえるだけで嬉しい気持ちになります。
お客さんと接する機会が少ない事務では味わえない喜びを感じることができますね。
2. 自分の考えやアイディアを反映しやすい
店舗という小さな箱の中では、比較的自分の考えやアイディアを反映することが容易です。
例えば季節に合わせておすすめしたい商品の陳列を変更したり、販売促進のチラシをオリジナルで作成したり。
日々お客さんと接しているからこそ思いつくことや提案できることも数多くあります。
もちろん会社の方針によってどこまで自由にできるかは変わりますが、事務職よりはアイディアを反映しやすい環境にあります。
3. 専門知識が身に付く
お客さんにはその道の「プロ」として接することが求められるので、専門知識が身に付きやすくなります。
例えば私はコーヒー会社に勤めていましたが、日々お客さんの悩みや疑問に答えるため以下のような専門知識を身に付けました。
- コーヒー豆の製法/産地による味の違い
- 美味しいコーヒーの淹れ方
- コーヒー豆の正しい保存方法
専門知識を身に付けるためには自分で勉強をしていく必要があります。
私はコーヒーが好きだから勉強も全く苦痛ではなかったよ。
特定の専門分野を極めたい人にとって、接客業は最高の学びの環境とも言えます。
4. 身体を動かすので運動不足にならない
座りっぱなしの事務とは違い、動くことの多い接客では運動不足にはなりません。
例えば私が接客をしていた時は事務仕事でさえ椅子に座ることがありませんでした。座る時間といえば、休憩の1時間ぐらい。
忙しい時間になると汗をかくぐらいの運動量だったので、特に仕事外で運動を意識する必要はないでしょう。
5. 平日休みで役所や銀行に行ける
シフト勤務だと平日休みが簡単に取れます。普段平日じゃないといけないところも行きやすいです。
例えば役所や銀行など。土日休みであれば簡単に行くことができない場所でも行くことができます。
元々平日が休みだと、わざわざ他の社員に気を遣って有給を取る必要もないので気楽です。
同じくシフト勤務の友人がいれば混雑の少ない平日に遊びにいくこともできますね。
接客のデメリット
逆に、接客を選んだ場合のデメリットは以下の通りです。
- 面倒な客に当たるとストレスを感じる
- 残業が発生しやすい
- 休日が少ない
- シフト勤務のため友達付き合いが減る
- 長期休暇が取りにくい
- 肉体労働がキツイ
1. 面倒な客に当たるとストレスを感じる
接客業ではどんな変わった人でも笑顔で対応しなければなりません。面倒な客に当たるとかなりのストレスを感じます。
例えば私が実際に面倒に感じたお客さんはこんな感じ。
- 忙しいのに永遠にお喋りに付き合わされる
- 毎回無茶ぶりな注文をされる(例:●ッキーのラテアート描いてください)
- 謎の私物を渡そうとしてくる
ラテアートで●ッキーはハードな注文だね。謎の私物も怖いけど・・・。
これ以外にも変わった人はたくさんいたよ~。逆に「ネタ」と思えば楽しいかもね(笑)
接客はお客さんとの距離が近い分、ストレスはダイレクトに直撃します。どこかで上手いこと息抜きをすることが必要になります。
2. 残業が発生しやすい
接客ではお客さんへの対応が優先なので、残業が発生しやすくなります。
私が勤めていた会社ではシフト通りに帰れた試しがありません。大体早番で上がる時間にはディナータイムで混雑し、時間通りに帰れないことがほとんどした。
「ここまでやったら終了」という時間設定が出来ないので、接客を選ぶ場合は長時間労働の覚悟が必要です。
3. 休日が少ない
接客ではシフト勤務が多く、年間休日も少ない傾向にあります。
例えば私が勤めていた会社では、就業規則上で年間休日108日でした(月9日休み×12ヶ月の計算)。しかし実際の年間休日は80日もなかったと思います(大体月4日休み)。
私はこれに加えて自宅でも仕事(PC作業)をしていたので、実際「休日」と呼べる日数は何日だったのかわかりません。休日の少なさも覚悟しておきましょう。
4. シフト勤務のため友達付き合いが減る
シフト勤務だと友人と予定を合わせることが厳しくなります。結果として友達付き合いが減ります。
実際私も大学の本当に仲の良かった子たち以外とは疎遠になりました。近所に住む友達ですら予定が合わず誰かと遊ぶことも少なくなりましたね。
シフト時間が遅い時間だと友達と飲みに行くことさえ困難です。人との付き合いを減らしたくない人は、同期が多い会社を選ぶようにしましょう。
5. 長期休暇が取りにくい
シフト勤務だとまとまった休みは非常に取りにくいです。
私が勤めていた会社では週1日休みが通常で、2連休は1年に1回しか訪れませんでした。有給を取得している社員はおらず、長期休暇を非常に取りにくい環境でしたね。
旅行好きな人は泊りの旅行に行けなくなる可能性があります。入社前のリサーチを怠らないようにしましょう。
今でも有給が1日も取れないなんてことあるの?
今は『年次有給休暇の時季指定義務』があるから、1日も有給が取れないなんてことはないよ!
有給を与えないと雇用主が罰則を受けるからね。
労働基準法改正により2019年4月から全ての企業に施行された義務。10日以上の年次有給休暇がある従業員に対し、雇用主が年5日の有給休暇の時期を指定して取得させなければならない。
雇用主が従業員に有給休暇を与えない場合、罰則金30万円以上
6. 肉体労働がキツイ
接客業は体力勝負でもあるので、事務に比べて肉体労働がキツイです。
例えば私が接客していた時は、座っている時間がほぼなく店内を走り回っていることがよくありました。忙しい時はランチを取る時間もなかったりします。
重いものもよく運びますし、何十キロもあるコーヒー豆を引きずりまわしていましたね。
若いときはまだ良いですが、体力仕事は年齢が上がるほど辛いもの。体力に自信がない人は注意しましょう。
事務のメリット&デメリット
私が事務を行う中で感じたメリットとデメリットについてご紹介します。
事務のメリット
事務を選んだ場合のメリットは以下の通りです。
- ある程度のPCスキルが身に付く
- 自分のペースで仕事が出来る
- 時間通り休憩出来る
- 定時で帰りやすい
- 休みが多い
- 有給を使って長期休暇が取れる
1. ある程度のPCスキルが身に付く
事務はPC業務がメインとなるので、ある程度のPCスキルが身に付きます。
例えばこんなスキル。
- タッチタイピングスキル
- ショートカットキー使用スキル
- Office製品使用スキル
- メジャートラブルへの対応スキル
特にExcel・WordといったOffice製品のソフトはどこの会社でも使用頻度が高いです。毎日PC作業をしているとこれらのソフトは自然に使いこなせるようになりますよ。
2. 自分のペースで仕事が出来る
事務は決められた仕事(ルーティンワーク)をコツコツとこなしていくことが多いので、自分のペースで仕事ができます。
例えば『午前は発注をメインに行って午後は資料作成をする』など計画を立て、余った時間を他の業務に使うことも可能です。
接客では仕事がお客さんに左右されがちなので、事務は計画通りに仕事を進めたい人にはピッタリです。
3. 時間通り休憩出来る
事務は計画的に仕事を進めやすいので、「休憩を取る時間がなかった!」ということは少ないです。大体時間通りに休憩が取れます。
例えば昼休みは12時~13時など就業規則で決まっていることが多く、自分の仕事の進み具合で小休憩も挟めます。
仕事がひと段落したところでゆっくりお茶タイムも可能。
事務はお客さんに振り回されることはないので、時間通りの休憩時間を確保できます。
4. 定時で帰りやすい
お客さんがいる限り残業が発生しやすい接客と違い、事務は自分の仕事が片付けば業務終了。仕事の進め方によって簡単に定時で帰ることができます。
例えばその日のうちに業務が終了しなくても、明日の処理で間に合うものは明日に残して定時で帰ることも可能です。接客ではお客さんを放置して帰宅することはできません。
事務は定時で帰りやすいので、仕事終わりでも飲み会やスポーツなど好きなことに時間を使えます。
5. 休みが多い
事務は土日祝休みなど固定休が多いので、確保できる休みは多いです。
例えば私が経験した事務では『土日祝』『お盆』『年末年始』が休みだったので、年間休日は最低でも120日はあります。
接客業から事務職に転職した際は、「毎週2連休があるなんてなんて幸せなんだ!」と感動しました。それほど接客と事務では休みの多さに違いがあります。
6. 有給を使って長期休暇が取れる
事務は自分で仕事をコントロールしやすいので、有給休暇も取りやすいです。祝日と組み合わせれば10連休などの超大型連休を取得することも可能。
例えば、5泊6日など所要日数の多いヨーロッパなどにも行きやすくなります。
旅行好きの私にとって、もうシフト勤務の生活には戻れません。旅行が好きな人は長期休暇の取りやすさもしっかり確認しておきましょう。
新しい職種にチャレンジする場合、転職で失敗しないかという不安は誰にでもあります。「イメージと違った」と後悔しないためのポイントは、転職することでどんな生活を目指したいかをしっかり考えておくこと。この記事では『接客から事務へ転職して良かったこと5選』について紹介しています。
事務のデメリット
反対に、事務を選んだ場合のデメリットはこのようなものがあります。
- 座りっぱなしがしんどい
- 眠気に耐えがたい
- やりがいを見つけにくい
- 給料が上がりにくい
- 居心地の良し悪しは人間関係に左右される
1. 座りっぱなしがしんどい
事務はPC作業がほとんどで、長時間座りっぱなしを強いられます。
例えば私はトイレに行く以外席を立つことがほとんどないので、軽く7時間は座りっぱなしです。足は浮腫むわ、腰とお尻は痛いわ、肩が凝るわで悲惨な状態。
ずっと座ることには仕事をしていれば慣れてきますが、運動不足解消のための工夫は必須です。健康を損なわないためのケアを心掛けましょう。
2. 眠気に耐えがたい
事務はほとんど座っている状態なので、眠気がきたら耐える以外に道がありません。軽く身体を動かすことは可能ですが、ずっとウロウロしているわけにもいかないのが辛いところ。
例えば私は眠気が来る前にコーヒーを飲むか、眠気が来たら足をバタバタさせたり手をツネったりして眠気と戦っています。地味な戦いですが、これが非常に疲れます。
お昼を食べ過ぎない、充分な睡眠を取る、などの対策が必要になります。
3. やりがいを見つけにくい
事務は決まった仕事を黙々とこなすことが多いので、やりがいは非常に見つけにくいです。
私は7年以上事務をやっていますが、見つけたやりがいはこんなもの。
- 仕事を早く捌いて過去の自分と勝負する
- 社内で他の人の役に立てそうなことを頑張る
- 一人で『何回定時で帰れるか選手権』を行う
・・・なにそれ、楽しいの?
言うでない。事務にやりがいなんぞ求めてはいけないのだ。
事務は接客のように密にお客さんと関わることが出来ません。やりがいは身の回りでなんとか見つけるようにしましょう。
4. 給料が上がりにくい
事務は決まった仕事を正確にこなすことが仕事なので、特別な評価はされにくいです。給料も大きくは上がりません。
例えば大企業でも昇給は1,000円という会社はよくあります。知り合いの事務員(一般事務歴3年、大企業勤務)も「20年選手のおばちゃんと大差ない」と嘆いていました。
どれだけ昇給するかは職種×会社の方針で変わります。入社前によくリサーチして、出来るだけ昇給が多い会社を狙いましょう。
5. 居心地の良し悪しは人間関係に左右される
事務は社内の人間と接する機会が多いので、会社の人間関係によって居心地は変わります。
例えば私は人間関係の悪い会社にいたときは心を病んで休職しましたし、人間関係の良い会社ではどれだけ仕事内容がクソでも耐えられています。事務は社内の人間関係が大切。
接客では会社の人間関係が悪くてもお客さんの笑顔に救われることがよくあります。しかし事務では逃げ場がありません。
こちらも入社前に社内の雰囲気などをよくリサーチしておく必要があります。
未経験職種へ転職する場合、その職種の我慢ポイントについても理解しておかなければなりません。なんとなくのイメージだけで転職してしまうと、「前の方が良かった」と転職を後悔する原因になります。この記事では、実際に接客から事務への転職を経験した私が『接客から事務へ転職する前に覚悟しておくべきこと』について紹介します。
【接客vs事務】結局大変なのはどっちか
接客と事務を比べた時にどっちが大変かというと、どっちも大変です。
なんじゃいその結論は!面白くない!
と思われるかもしれませんが、様々な考え方が存在する中で優劣を付けるのはとても困難なこと。
例えるなら、「カレーとラーメンどっちが美味しいか」と議論しているようなものです。そんなものは人による、としか言いようがないですよね。
しかし結論が『どっちも大変』では面白味がないので、『それぞれどんな点で大変なのか』ということを深堀していきましょう。
接客で大変なこと3選
私が接客の中で最も大変に感じたことは以下の3つです。
- クレーム対応
- 店舗の売上UP
- 体調管理
詳しく解説していきます。
1. クレーム対応
接客ではお客さんとの距離が近い分クレーム対応のダメージも大きいです。自分の責任でない場合でも、怒られれば気分は落ち込みます。
例えば私が経験した中での大クレームは、食品への異物混入でした。飲食店としてあってはならないことなので、お客さんが怒るのは当然ですね。
社員総出で30分ぐらいクレーム対応に追われました。
クレーム対応は対応の仕方を間違えるとさらなるクレームへ繋がります。慎重に対応していかなければなりません。
精神的に打たれ慣れていない人は、クレーム対応がかなり大変になるでしょう。
2. 店舗の売上UP
接客では日々お客さんの対応をするだけでなく、店舗の売上も気にしなければなりません。会社によっては店舗ごとにノルマが設定されている場合もあります。
店舗の売上を上げていくためには様々な工夫が必要で、私の場合は以下のようなことに取り組んでいました。
- 店舗売上UPのための取り組みの例
- コーヒー豆販売促進のイベントを毎月企画
- コーヒーに興味を持つお客さんへの積極的な声かけ
- 購買意欲をかき立てるPOPやチラシを作成
これらのことは誰に指示されたわけでもなく、自分で創意工夫して売上に貢献していかなければならないことです。
「言われたことしかやりたくない」という人にとっては、かなり大変な部分になるでしょう。
3. 体調管理
接客ではシフト制が多いので、出勤日も出勤時間もバラバラになると体調管理が大変です。不規則な生活で免疫力が低下しやすくなります。
私は幸いにも勤務中に体調不良になることはありませんでしたが、当時のシフトはこんな感じでした。
1週間でも日によって出勤時間や勤務時間が見事にバラバラ。当然食事の時間もバラバラですし、規則正しい生活をしろという方が無理です。
当時は帰宅が0時を過ぎることも多かったから、お風呂に浸かりながらご飯を食べるっていう奇行をしてたな・・・。
どこぞのYoutuberみたいなことしてんな。
長く接客業を続けていこうと思うと、不規則な生活の中での体調管理が大切になります。普段から体調を崩しやすい人はかなり大変な部分です。
事務で大変なこと3選
私が事務を行う中で最も大変だと感じることは以下の3つです。
- 複数の仕事を漏れなくこなしていかなければならない
- PC作業による腰痛/肩凝り/頭痛がひどい
- 社内の人間関係が悪いと地獄
詳しくみていきましょう。
1. 複数の仕事を漏れなくこなしていかなければならない
事務は複数の仕事を漏れなく処理していかなければなりません。仕事を管理する能力が必要です。
例えば営業事務だとこんな感じ。
事務は通常業務に加え、電話対応・来客対応・トラブル対応など突発的な仕事を臨機応変にこなしていかなければなりません。
発注を1件漏らすだけで何百万という損失が出る可能性もあります。地味な仕事の割に責任重大!
事務は与えられた仕事を正確にこなせることが大前提。慣れない内は仕事が重なって大変な思いをするでしょう。
2. PC作業による腰痛/肩凝り/頭痛がひどい
事務はほぼ座りっぱなしの仕事です。悪い姿勢が続くと、腰痛・肩こり・頭痛などに悩まされやすくなります。
私もこのような症状に悩まされ始めたのは事務職に転職してからです。定期的な運動やマッサージなどのケアが欠かせません。
体の不調が始まるとまともに仕事をすることも困難です。長く健康に事務を務めるためには体のケアに注意を払いましょう。
3. 社内の人間関係が悪いと地獄
事務が多く関わるのは社内の人間です。社内の人間関係が悪いと仕事の環境は地獄と化します。
例えば事務は1日中オフィスで仕事をするので社内の会話はつつぬけ状態。毎日誰かの怒号を聞いたり言い争いを耳にするだけで、仕事へのやる気は奪われます。
実際私もそういう環境で事務をしたことがありますが、ピリピリした空気感で仕事をしていると仕事が楽しいと感じなくなります。
「自分はなんでこの人たちと一緒に働いているんだろう」とか考え始めると悲しくなりますね。
社内の人間関係が入社してみないと分からないところがまた難しいところ・・・。
劣悪な人間関係でも仕事と割り切れる人は、どこへ行っても事務としてやっていけるでしょう。
結論:仕事は接客、人間関係は事務が大変
接客と事務どっちが大変かという問題に対して、あえて結論を出してみるとこうなります。
- 【仕事面】では接客が大変
- 【人間関係】では事務が大変
その理由を解説していきますね。
接客業では常に能動的でなければならない
仕事面では接客業の方が大変です。決まった仕事をこなす事務とは違い、常に店舗の売上のことを考えなければならないからです。
- リピート率を上げる方法はないか
- 一人あたりの注文数を増やす方法はないか
- 利益率の高い商品を注文してもらうにはどうすれば良いか
常にこのようなことを意識して仕事に取り組む必要があります。いわば、店舗の経営者として仕事をしなければならないのです。
事務のように言われたことだけを行っていては、店舗の売上は守れません。自分から能動的に仕事を行う必要があります。
もちろん事務の仕事が楽かというと大変な部分もありますが、慣れると楽になることが多いです。
『常に能動的に仕事をしなければならない』という意味では接客業の方が大変になります。
事務は社内の人間関係から逃げられない
人間関係では事務の方が大変です。先述した通り、社内の人間と関わることの多い事務は人間関係によって仕事のやりやすさが変わります。
例えば営業事務の場合、人間関係で考えられるトラブルは下記の通り。
- 営業Aと営業Bの仲が悪く毎回板挟みにされる
- 上司Cの機嫌のムラが激しく、聞きたいときに聞きたいことが聞けない
- 後輩Dの物覚えが悪すぎて自分の仕事が減らない
事務は一人で作業をすることもありますが、全体の仕事の一部を補っているだけに過ぎないので単独で仕事を完遂することはできません。
必ずどこかで社内の人間との関わりが発生します。
もちろん接客業でも社内の人間との関わりはありますが、事務職ほど蜜ではありません。メインで接するのはお客さんですし、そのお客さんが社内の人間関係の悪さの逃げ道だったりします。
しかし事務にはその逃げ道となる社内以外の人間関係がありません。取引先とやりとりをすることがありますが逃げ道になるほどの関係性にならないことが多いです。
社内の人間関係が悪いと仕事にも悪影響があるので、人間関係は事務の方が大変になります。
【接客vs事務】どちらを選ぶべきか
接客と事務のどちらを選んだらよいかは、あなたが何を優先したいかで決めましょう。
判断基準は以下の通りです。
- 【やりがい優先】なら接客
- 【プライベート優先】なら事務
それぞれ解説していきます。
やりがいを優先したいなら接客
仕事でやりがいを優先したいなら接客がおすすめです。接客では能動的に仕事をすることが多いので、大変な分やりがいも多くあります。
- 接客で感じるやりがいの例
- 一生懸命勉強した専門知識でお客さんに喜んでもらうことができた
- 狙っていた企画がヒットし売上が前年比を大きく上回った
- お客さんが自分目当てで何度も店舗に来てくれるようになった
これらは事務職ではなかなか経験できないことばかりです。能動的に行動するからこそ、結果が伴ったときに大きな喜びを得ることが出来ます。
私は事務を7年以上続けていますが、仕事が充実していて楽しかったなと感じるのはやはり接客業。
どれだけ休みがなくて残業が多くても、「楽しい」という気持ちが仕事を続ける原動力でした。
結局会社との価値観のズレで1年半で辞めちゃったんだけどね。
接客業を経験して良かったと今でも思ってるよ。
- やりがいのある仕事がしたい
- 楽しいと思える仕事がしたい
そんな人は接客業がおすすめです。
プライベートを優先したいなら事務
やりがいよりもプライベートを優先したいなら事務がおすすめです。事務は仕事のコントロールがしやすく、接客よりも簡単にプライベートの確保ができます。
dodaで行われたこちらの調査(『平均残業時間の少ない仕事・多い仕事は?90職種別の残業時間ランキング』)によると、事務職が他の職種と比べて残業時間が少ないことが分かります。
順位 | 職種 [職種分類名] |
残業時間/月 |
---|---|---|
1 | 秘書/受付 [事務/アシスタント] |
10.5時間 |
1 | 医療事務アシスタント [事務/アシスタント] |
10.5時間 |
3 | 営業事務アシスタント [事務/アシスタント] |
11.1時間 |
4 | 金融業界の代理店営業 [営業職] |
11.4時間 |
5 | 一般事務アシスタント [事務/アシスタント] |
11.8時間 |
6 | 金融事務アシスタント [事務/アシスタント] |
12.3時間 |
7 | 経理/財務事務アシスタント [事務/アシスタント] |
12.5時間 |
8 | 薬事 [医療系専門職] |
12.6時間 |
9 | 金融業界の個人営業 [営業職] |
13.4時間 |
10 | MR [営業職] |
13.7時間 |
10 | 企画/マーケティング関連事務アシスタント [事務/アシスタント] |
13.7時間 |
12 | 総務/法務/知財/広報事務アシスタント [事務/アシスタント] |
13.8時間 |
13 | 英文事務アシスタント/翻訳/通訳 [事務/アシスタント] |
14.4時間 |
13 | 調理/ホールスタッフ/フロアスタッフ [販売/サービス] |
14.4時間 |
15 | 分析/評価(素材/化学/食品系) [素材/化学/食品系エンジニア] |
14.4時間 |
16 | 品質管理/品質保証(医療系) [医療系専門職] |
15.3時間 |
17 | テレマーケティング/カスタマーサポート/コールセンター [販売/サービス] |
15.9時間 |
18 | 美容関連職(理美容/エステ/マッサージ) [販売/サービス] |
16.1時間 |
19 | 旅行/宿泊/ホテル/冠婚葬祭関連職 [販売/サービス] |
16.3時間 |
20 | 貿易事務アシスタント [事務/アシスタント] |
16.4時間 |
20 | 販売/接客/売り場担当 [販売/サービス] |
16.4時間 |
出典:転職サービスdoda 『平均残業時間の少ない仕事・多い仕事は?90職種別の残業時間ランキング』より
11種類の「事務/アシスタント」のうち、なんと10種類がランクイン!
「人事/アシスタント」だけがランキング外になったんだね。
また、年代・職種別平均残業時間は以下の通りです。
職種名 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|
営業職 | 15.9時間 | 22.0時間 | 22.5時間 | 21.3時間 |
企画/管理 | 24.2時間 | 21.7時間 | 23.5時間 | 22.7時間 |
事務/アシスタント | 12.7時間 | 14.4時間 | 13.9時間 | 10.9時間 |
IT/通信系エンジニア | 18.2時間 | 22.0時間 | 24.0時間 | 23.1時間 |
モノづくり系エンジニア | 18.2時間 | 27.0時間 | 25.5時間 | 21.2時間 |
建築/土木系エンジニア | 21.8時間 | 28.8時間 | 27.6時間 | 27.2時間 |
素材/化学/食品系エンジニア | 13.6時間 | 17.2時間 | 22.9時間 | 16.1時間 |
医療系専門職 | 14.9時間 | 15.9時間 | 16.4時間 | 20.9時間 |
販売/サービス | 10.9時間 | 21.9時間 | 22.2時間 | 19.0時間 |
クリエイティブ | 32.5時間 | 24.7時間 | 23.9時間 | 29.8時間 |
出典:転職サービスdoda 『平均残業時間の少ない仕事・多い仕事は?90職種別の残業時間ランキング』より
「事務/アシスタント」と「販売/サービス」を比べると20代では事務の方が2時間ほど残業時間が長くなっていますが、その他の年代では事務の方が残業時間が短いことが分かります。
プライベートの時間を重視したい人は接客よりも事務職を選びましょう。
それでもどちらを選ぶべきか迷う場合
とはいえどっちを選ぶべきか分からん・・・!
という人への一番のおすすめは、接客から事務への異動が可能な会社を選ぶことです。
この方法の利点は3つあります。その利点は以下の通り。
- 接客と事務の両方を経験できる
- 万が一接客が合わなくても転職のリスクを負わなくて済む
- 事務の前に接客を経験することで現場を理解した行動ができる
1. 接客と事務の両方を経験できる
接客から事務への異動が可能な会社を選ぶことで、接客と事務の両方を経験できます。
仕事が合うか合わないかはやってみないと分からないことも多いので、経験できることは両方経験してみることがおすすめ。
どちらかを選ぶのが怖い人は、どちらも選べる環境を選択しましょう。
2. 万が一接客が合わなくても転職のリスクを負わなくて済む
接客から事務への異動が可能な会社なら、万が一接客が合わなくても転職せずに事務へのキャリアチェンジが可能です。
転職だと何が悪いの?
と思われるかもしれませんが、『部署異動』ではなく『転職』の場合は下記のリスクを伴います。
- 『転職』の場合に伴うリスク
- 3年未満の転職だと『短期離職』となり、その後の転職の際に不利になる
- 転職後の会社が合わなくて転職を後悔する可能性がある
転職が絶対ダメというわけではありませんが、部署異動よりも大きなリスクを伴います。履歴書に無駄に傷をつけないためにも、可能なら最署異動で済む会社を選びましょう。
3. 事務の前に接客を経験することで現場を理解した行動ができる
接客から事務へ異動した場合、現場を知っている上でバックオフィスをやることになるので仕事の理解度が深まります。
例えば店舗の商品を事務が発注する場合、何も知らずに商品を発注するのと「この商品は3月によく売れてたな〜」と事情を知っているのとでは全然違います。
需要に対して発注数が明らかに少ない場合すぐに違和感に気づくことができるのです。
あえて少なめに発注している可能性もありますが、現場からの連絡ミスで発注数が足りていない可能性も充分に考えられます。
そんな時に「発注数少ないですけど、大丈夫ですか?」って確認ができると、他の人より頭1つ飛び抜けた仕事ができるよ!
事務の前に接客を経験しておくと、事務だけを経験している人より質の高い仕事ができるようになります。
まとめ
今回は『接客と事務はどちらが大変か、どちらを選ぶべきか』について解説しました。
- 仕事面 ⇒ 接客が大変
- 人間関係 ⇒ 事務が大変
- やりがい優先 ⇒ 接客
- プライベート優先 ⇒ 事務
- それでも迷うなら ⇒ 接客から事務への異動が可能な会社を選ぶ
正直両方を経験した私から言えば、どちらもやってみてほしいです。接客には接客にしかないいいところがありますし、同様に事務にも事務にしかないいいところがあります。
やってみて合わなければ、それもまた経験です。
「やらない後悔」より「やる後悔」。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。あなたの就職がよいものになりますように!